1000人に1人の確率 その1

 料理の好みは人それぞれだと思います。私は料理評論家や食べログのような一般向けサイトを全く参考にしません。厳しい言い方ですが 、常々自分の好みに合う店と同じ指向を持っている人は1000人に1人いれば良いのではと思っています。
 私が一番信用できる料理の情報源は、好みの同じ指向を持っている友人らの食べ歩き情報と、お気に入りの店の料理人の情報でしょうか。
 食べ物の好みとは、その人が生まれて今日まで育ってきた集大成だと考えます。どのような食べ物を食べ、作り、出会い、育って来たかは人それぞれ違うのと同じで、食べ物の好みも人それぞれ違うものだと考えます。私が友人の情報や料理人の情報を大事にするのは、その友人や料理人たちの好みが、かなり同じ方向性を持っているのを経験的に知っているからこそ信用できるのです。それでも100%同じだと言うことはあり得ません。ましてフードマーケティングに組み込まれているような料理評論家の意見など端から全く信用できません。
また、食べログなどの一般の人々の投書などで成り立っているいるようなサイトの情報も信用できません。一例を挙げれば、香港の料理に造詣が深く、私と同じように福臨門大好きのグルメライターの某氏が以前、何人もの日本人を香港福臨門に連れて行ったときに、その実に70%の人々が全く美味しく感じられなかったことを聞き、愕然としたことがありました。それは京都料理よりも薄味の広東料理など、今までに全く経験のない料理を前にして、自分の食事経験では処理できないような味に脳が混乱を起こしたのだと考えます。私もこのブログで福臨門のことを絶賛していますが、これが全ての人に受け入れられるものだとは思っていません。
 幼い頃から味の素たっぷりの食事を食べさせられて育ってきた人が大半の現在、それが無いと物足りなく感じてしまうのは仕方のないことだと思いますし、日本の中華料理のようにくどく、味の素たっぷりの独自の変遷を遂げた料理を食べている多くの人にとって、味の素のない薄味の中華料理など全く異質に感じられるのも仕方のないことだと思います。噂で日本の福臨門では味の素を入れて料理をしていると聞いているのも、こんなに高いお金を払ったのに美味しくないと言われることを恐れてのことだと言えます。またその反動として無化調ラーメンなるものがブームだと聞いて、何軒か食べていますが、味の素は入っていないかも知れませんが、味じに全くコクを感じられないと言うか、とにかくこれだったら味の素を入れた方がまだましのような店が多いのも事実です。

 ようは自分と同じ方向性を持つ友人や情報源を持つことこそ、美味しいものを見つける近道だと思います。一人でも私の記事が少しでもその助けになればとの思いで続けて行く所存です。