香港福臨門の謎 その19

消えたハクビシンの謎

福臨門の銀座店では冬には鹿や猪等のジビエを出しているようですが、香港では鹿や猪などのジビエはあまり扱っていませんでした。例外的に以前はハクビシンが福臨門の冬を代表するジビエ料理でした。ハクビシンは広東語では“菓子狸”と呼ばれ、木の上に住み、フルーツを主食としているからこの名が付いたようです。しかし、数年前のSARS騒ぎで、SARSウイルスの宿主としてハクビシンが注目されて以降は中国本土からの輸入が禁止され、一切食べられなくなってしまいました。ハクビシンの土鍋煮込みは、濃厚で旨みたっぷり、赤のグランヴァンにも合いそうな冬のジビエ料理でしたが、時代の流れと言えばそれまでですが、寂しい限りですね!