1000 人に1人の確率 その3 和牛信仰

 これも多くの人と私の好みの違いの大きいものの一つです。私の日記を見ても判るとおり、牛肉は内臓などはよく食べても、ほとんどステーキ料理や焼き肉などの正肉を食べません。ステーキなどは決して不味いとは思いませんが、 日本で食べる機会はごく僅かです。特にA5クラスの和牛ステーキは高級料理ですが、パーティーなどの会食等では食べる機会はありますが、自ら進んで食べようとは思いません。その理由はC/Pの悪さだけではなく、ランクの高い和牛のステーキや焼き肉を飛び抜けて美味しい料理だとは思っていないからです。食べるものの選択肢の極端に少ない米国などに行った時でも、ステーキよりもプライムリブのようなローストビーフを選んでしまいますし、香港でも牛の内臓料理はよく食べますが、正肉は殆ど食べません。
 高級和牛肉が嫌いな理由の一つに歯ごたえとサシの多さにあります。TV番組でも、リポーターが口の中でトロけるような美味しさなどと表現しますが、私は適度な歯応えが無いと牛肉を食べている実感が沸いてきません。表現で言えば、噛めば噛むほど美味しさが染み出してくるような肉が好きなのです。フランスでもステーキは、庶民的なB級グルメととらえられていますし、この辺の感覚は欧米人に近いのではないかと思います。
 以前も接待で米国人のクライアントを某高級和牛料理店に連れて行って時も、美味しいとは言ってもらえましたが、A5の和牛ステーキを彼は最初はツナステーキだと思っていて、あとで一緒に大笑いしたことがありました。
 反対に私は適度な歯応えのある、ロース肉を時間をたっぷりかけてローストしたプライムリブなどは時々無性に食べたくなります。赤坂の某店は高すぎて、自分で行くことはほとんどありませんが、手頃な値段でプライムリブを食べさせてくれる店が欲しいこの頃です。

600gプライムリブ サンフランシスコにて