2010年中華料理の旅

香港... そして無限の美食の彼方へ...(HongKong...And Beyond the Infinite...)

人類が地球上にアウストラロピテクス としてアフリカ,タンザニアに誕生して400万年。

 文明を築き、村や町を作り発展を遂げました。その間の食事は399万年間以上は植物の根や昆虫、多少の肉を食べて空腹を満たし、絶滅の縁を彷徨い氷河期を生き延び続けました。しかし紀元前1万年頃に農耕を発明し、牧畜を始め、定住生活ができるようになって生存競争に勝ち抜き、生活が安定し爆発的に人口が増え今日の繁栄を築きました。

 2000年前のローマ時代には、巨大な都市を築き西洋文明で初めてローマ市民の間に美食なる習慣も誕生しました。しかし、その優れたローマ文明でさえ当時の料理方法は、焼くと煮るの2つしかありませんでしたし、調味料も塩や蜂蜜、オリーブオイルやガルム(魚醤)や、いくつかの天然ハーブ程度であったと言われています。しかし、東洋の中国では紀元前2000年前頃から中華料理の歴史が始まり、ローマ時代と同じ当時の前漢の時代(BC206年 – 8年)には蒸すや、揚げるなど、今日の中華料理の基本的な技法の多くが確立されました。調味料も、砂糖、胡椒、山椒、八角、香菜...などなど実に多彩なものが使われていたと記録されています。そして、それから、さらに2000年...その料理は人類史上最高の孤高の頂点に到達しました。4000年の膨大な歴史と多くの名も無き料理人の無数の努力を経て到達した先に今の香港福臨門が存在します。

 私が福臨門の味に出会い、30数年間を経ても、多くの料理が頂点の座を譲っていないばかりか、益々高みを極めています。特に福臨門の上湯スープは私の味覚中枢の深淵部にまで衝撃的な美味しさ情報の記録を刻み込み圧倒的な存在感で君臨し続けています。いかに洗練された京料理の出汁であろうと、絶頂期の天才フランス料理人が作るトリュフのパイ包みスープであろうと、この上湯に比べたら、遠く及びません。料理史上最高の時代に生まれ、素晴らしい料理人に出会えたことを心より美食の神に感謝しています。

 私が愛して止まないその味に、絶大な力を誇った時の皇帝や権力者でさえも飲むことが叶わなかった400万年の人類史上最高のスープにあと24時間とちょとで、また出会えるのです。

...しかも、リーズナブルな値段で...

では、行ってきます。時空を超越した美食のモノリスが待つ「2010年中華料理の旅」へ...再見 !