超常連への道 その2「理論武装セヨ!」

理論武装セヨ!

 なんか60年代の学生運動の標語のようなタイトルですが、これも早く常連になるために必要な事だと言えます。料理に対する知識は、知ったかぶりや、人にひけらかすものではなく、その料理をより深く楽しむために絶対に必要なものであると考えます。料理の歴史や調理技法、素材などを知れば知るほどその料理の理解や楽しみが増え、料理人や店の人たちと、内容の濃い会話が出来、そのことで、より親しい関係を構築できると思います。

 私は香港に行く度に、広東料理、特に広東家庭料理である「家郷菜」の本を見つけては買って帰ります。当然中国語なので読んだり理解するには、それなりの時間が掛かりますが、その料理への知識が、さらに深まり、より料理を楽しむことが出来るようになりましたし、店で料理をオーダーするときにも、その知識がとても役立ちます。

 フランスやヨーロッパ諸国へも旅行に行くたびに重くて荷物になりますが、料理本やワインに関する本を探して買って帰るのも私の旅行の楽しみになりました。そして今日のフランス料理がどのような経緯で誕生し発展してきたか、その料理の起源が何時、どこで誕生して、そのレストランの料理人のスペシャリティが何なのかを知ることが、その料理を自分なりに理解したうえで、味わう重要性も認識できました。店で料理を勧められたときに、会話にさりげなく、そのことを踏まえて会話をすれば、店で一目置かれることは間違いありません。

 ただあくまでも身につけた知識は自分の引き出しにしまっておくことも大切です。知ったかぶりやこちらから積極的に話すのではなく、店員や料理人との会話の中で、さりげなく使うことが中庸だと考えます。

 私もレストランでソムリエから、値段を決められ、ワインの選択は任せると言われることが、一番緊張するとよく言われます。自ら、このワインは、ああだの、こうだの言わなくても、こちらの経験や知識は意外と確りと相手に伝わるものです。