ラ・ベカス 完全試合

ラ・ベカス 大阪 淀屋橋

今回のラ・ベカスは今年一番の出来・・・まさに完全試合でした。
アミューズからデセールまで、そのパーフェクトさは神がかっていました。

秋に入り客で賑わいも増し、1961年生まれのシェフは、孤高の頂点に達していると思われます。その恐ろしいまでの気迫に満ちた完成度、師匠の故アラン・シャペルを味わい・センスとも完全に凌駕しています。
最近は技巧的なディスプレイも加わり、世界トップクラスの圧倒的なフランス料理が大阪で堪能できました。


アミューズ(アジのエスカベーシュ キュウリソース)


アミューズからしてこの完成度、アジの美味しさをエスカベーシュにして閉じ込め、それを鮮烈で奥深いキュウリのソースが引き立てます。


■オードブル1(ヒメジのポアレ アンチョビソース)


渋谷ドメイン無敵のポアソン炸裂! 世界広と言えど、こんなポアソン料理を作れる料理人を他に知りません。和歌山産のヒメジの美味しさを神業的なポアレにより、極限まで引き出し、それに加えられたアンチョビの旨みと後味、言葉では言い表せない圧倒的で孤高の料理が凄すぎます。


■オードブル2(赤足エビのポシェ インゲンソース 紅芯大根添え)


エビをここまで高めた・・・香り、味わい、食感、喉ごし、後味・・・全てが完璧。この劇的な美味しさは無敵です。レギュームに至るまで施された細心かつ大胆な味付け技法が圧巻です。


■オードブル3(サワラのポアレと季節野菜 オレンジソース)


この美しさ・・・そして、それ以上に驚きの味わい・・・見た目には流行のキュイジーヌ・コンテポラリー風ですが、その味は驚きのキュイジーヌ・トラディショネール!サワラの持つ新しい美味しさ再発見にビックリです! まさに渋谷ドメイン究極、美食のジグソーパズル イリュージョン!


ポアソン(スズキのポシェ 茄子のラビオリ添え)


ポアソン最後のだめ押し・・・かつてこれほど美味しいスズキ料理が有ったでしょうか?ジョルジュ・ブランの傑作料理「バー・マリエール」を遙かに凌駕し、日本料理も絶対に到達できない孤高の究極的、スズキの旨さ。ロアジス ウーティエ絶頂期の「スズキのポアレ赤ワインソース」をも超える神のスズキが降臨しました。


■ヴィアンド(チャーミン豚のポアレ)


この皿も凄いです! 目の覚めるような豚肉の凝縮された美味しさ、それに添えられたジャガイモのピュレに仕込まれたハーブや野菜の数々・・・ポアソンに限らず、ヴィアンドの圧倒的な美味しさも、決して負けてはいません。


■デセール(無花果のコンポート グラス添え)


デセールも今日は完璧。コンポートの具合、添えられたグラスの美味しさ、甘みのバランスも文句なしでした。


■テ(アンフュージョン・ベルベーヌ)



サロンに移ってアンフュージョン・ベルベーヌ。これぞグランメゾンの楽しみ。


何時にもまして気迫のこもった料理は最初から最後までの完全試合でした。凄かったです〜(^^)/