最強伝説

ラ・ベカス 大阪 淀屋橋

今年最後のラ ベカス訪問です。これがあるので今年のフランス料理BEST5が書けませんでした。
予想通りと言うか、その料理は想像を遙かに超えた凄まじい気迫に満ちた圧倒的な美味しさでした。


今回はアミューズポアソンなしでしたが、その全てが斬新かつ驚きの味わい・・・
そして、その味は、一貫して変わらぬ私の大好きな ”cuisine traditionnelle”です。

今回も最強神が降臨しました。


■オードブル1(レンコンと山シメジのミンチ)

この彩り、そして官能的な香り、さらにミンチの美味しさ・・・最初から渋谷ドメイン炸裂の複雑な味わいの素晴らしいオードブルからキックオフです。


■オードブル2(ハリイカのサラダ仕立て)


これも無敵のオードブル炸裂! 岡山産のハリイカを厚めにスライスして、心地良い歯応を残しながらイカの美味しさを余すことなく引き出した皿は渋谷シェフにしか作り出し得ない旨みと後味と余韻の美食のジグソーパズル・・・凄すぎます。


■オードブル3(スズキと牡蠣のフォアグラのフラン 菊菜ソース)


もう言葉になりません。
濃厚な味わいですが、後味が軽い、そうまさに福臨門的手法に相通じる神のオードブルです。
フランの中に仕込まれた上品な味付けのスズキと濃厚な旨みのブルターニュ産牡蠣の味わい。フワフワの食感とのコントラストまで計算し尽くされた、重層的かつ複雑な味わいの素晴らしいオードブルです。 ・・・恐るべし。


・・・ここからは、怒濤の天空ヴィアンド3連発・・・


■オードブル4(仔牛とレンコンのムースのポアレ、フォアグラのせ 柿ソース)


何という食感・・・あり得ない喉ごし、そして天空の味わい・・・これも言葉になりません。
レンコンのムースがこんなにも滑らかな食感とは・・・それに輪を掛けるフォアグラの濃厚な味わい・・・
最後のトドメは・・・・新鮮でフルーティーな柿ソース! 周りにはチョロギなどを配し、見た目にはキュイジーヌ・コンテンポラリー風ですが、味わいはクラシックそのもの・・・凄すぎました。


■オードブル5(シャラン鴨のポアレ 黒トリュフをそえて)


いきなり、凄いトリュフの香りのクロスカウンターパンチ!突然師匠アラン・シャペルが降臨したかのような鮮烈極まりないヴィアンドでした。


■ヴィアンド(仔牛の赤ワイン煮)



まさし、くネイティブ・・・まさしく、トラディショナル・・・しかも見た目より遙かに軽く、旨みは津波の如し・・・程よいテクスチャー感も効果的な渋谷ドメイン怒濤の天空のヴィアンドでした。


■デセール(ナシのコンポート ハチミツのグラス添え)


それまでのパワーでグイグイ押してくる料理と違い、デセールは福臨門のような淡泊な味わい。ハチミツのグラスも甘みは軽く、上品な美味しさです。渡邊シェフのデセールのようにもう少しパンチを効かせても良いように思えます。


■テ(アンフュージョン・ベルベーヌ)


サロンで楽しむアンフュージョン・ベルベーヌ。グランメゾンでの食事のエピローグはこうでなくては。


今回はアミューズポアソンもなく、怒濤のオードブル5皿とクラシックなヴィアンドでした。アラン・シャペル直伝の味わいを更にネイティブな手法で押し進め、最近は現代風の見た目の美しさにも気を配る、日本最高峰のグランメゾンの気迫のこもった料理は最初から最後まで、凄かったです〜(^^)/


今年もご馳走様でした。