覇王のフランス料理 その2

ラ・ベカス 淀屋橋 大阪

最近は1回の帰阪で2ラ・ベカス訪問が定着してきました。(^^)/


2回目のこの日も神のポアソンは健在で、渋谷シェフの脳内ルセットの引き出しの多さに驚かされました。
2日前とは私からオーダーしたデセールを除き、別メニューで、そのどれもが圧倒的な美味しさでした。


【オードブル1:ハモとレンコン、アスペルジュのフラン、スープ仕立て】


今日も最初の皿からアミューズなし、アフターバーナー全開のゼタ旨モードになりました。恐ろしいほどの味わいで、鱧の上品さとフランの滑らかさと白アスパラガスのスープが高レベルで融合した別次元の美味しさの皿は、最初から驚異的な完成度です。


【オードブル2:ツバスのサラダ仕立て インゲンとすかんぽ添え】



2皿目の神のポアソン降臨です。前回のツバスとは、方向性が異なり、すかんぽの葉の持つ淡い酸味と香りが生かされたツバスのポアレは、香り高く奥深い味わいで、真綿で首を絞められるが如き、じんわりと地の底から沸き上がるような美味しさが特徴です。渋谷ドメインの調理力の奥深さが垣間見える、美食のジグソーパズルだと思います。


【オードブル3:よこわのトマトゼリー寄せ金針菜添え】


「よこわ」とは関西で本マグロの幼魚のことを言い、渋谷シェフも好んで使う食材の一つです。それを上品なトマトのゼリーでくるむ発想は渋谷シェフならではの発想力です。さらに程よい歯応えと香りの金針菜を添える組み立て方は、まさに圧巻です。しかもどの食材も余計なものは無く、美味しさを構築する重要なエレメントになっている凄さ・・・完璧です。


【オードブル4:サンジャックと天草大王の白子の煮込み ムースロン添え】


ホタテに天草大王鶏の白子・・・フランスから仕入れたムースロン茸の組み合わせ・・・まさに神のジグソーパズルです。しかもその味わいは1+1+1が10以上の相乗効果、広東料理も真っ青の奇跡の組み合わせを演出。ホタテと白子とムースロンの食感のハーモニーも完璧です。凄すぎます渋谷シェフ。


ポアソン真鯛のポアレと真鯛のダイコン餅 フランス風鴨ミソ添え】



瀬戸内の真鯛を完璧な火加減でポアレし、その下には真鯛を練り込んだダイコン餅、そしてアクセントにはフランス風鴨ミソと呼べるようなワンポイントの濃厚なソースと種ダイコン・・・この唯我独尊の味わいはまさに神のポアソンそのもの・・・。言葉で語り尽くせないほど奥深きポアソンの味わい、この味に対抗できるフランス料理人がいるとは思えないほどのパーフェクトな皿でした。


【ヴィアンド:和牛肉のロール ジャガイモとサマートリュフのクリームソース】


このヴィアンドは凄いです。私が神のポアソンポアソンと言っているので、ヴィアンドの最強弾頭兵器を用意していたようです。薄切りにして巻いた和牛とジャガイモをサマートリュフの香り豊かで濃厚なクリームソースが重層的に織りなすヴィアンドは絶品の美味しさでした。


【デセール:ウッフアラネーズ】


リクエストで頼んだ唯一の料理です。w 淡く軽く爽やかな初夏らしいデセールは食事の最後に相応しい上品な味わいのデセールでした。




3日間の間に2回のラ・ベカス訪問・・・でも後ろ髪を引かれる思いで帰京しました。それほど凄い料理の絨毯爆撃にもう完敗です。