86年以降のボルドーとは全くの別物!

私が1986年以降に作られたボルドーグランヴァンに興味が湧かないのは、全くの別物ワインだと言うこと。
同じ名前を名乗っていますが・・・飲めば、天と地の歴然とした差があります。


ほぼ、この年を境に、ほとんどのボルドーワインが醸造方法を変えてしまったのです。言い換えれば「早熟傾向」に変えられたのです。

時代の要請やユーザー層の変化で「このワインは当たり年なので最低でも10年は完璧な保存環境下に寝かしてから飲んでほしい」と言えなくなってしまったのです。

ある、最も有名なシャトーのオーナーから以前に、1950年代は黒字の年が1年間のみ、60年代は2年間、70年代は4年間、86年以降は全ての年が黒字だとを聞かされたことがあります。
王侯貴族の権威の象徴とし作っていた時代から、新興富裕層への変化がその原因だと考えます。

それと前後してシャトーのオーナーも大手酒造メーカーなども加わり大きく変わり始めました。儲かる美味しい商売になってきたのです。

先日開けた、CH.HAUT BAILLY 1970 (シャトー・オー・バイィ1970年)を飲めば明らかなように、85年以前のワインは、当たり年であり、かつ、熟成保管をしっかり行なえば、46年歳月を経たあとでも、まだ熟成を続ける力を持っていることを実感させられました。


シャトー・オー・バイィは良いグランヴァンですが、ラフィットやラトゥールほどは持ちません。それでも85年以前の仕込みは全くの別物なのです。

同席した友人たちは、そのことを思しらされたと思います。

今年のタイや香港でも、85年以前のワインを飛びっきりの料理とマリアージュさせたいと考えています。

いまから楽しみです。