ワイン世界遺産 その4

ナパの土と気候とエノロジストが生み出した傑作ワイン インシグニア1988年



 カリフォルニアワインの最高峰と言うとすぐにロバート・モンダヴィオーパスワンと決め付ける人も多いですが、私から言わせると、オーパスワンは美味しいには美味しいですが、フランスのムートン・バロンフィリップと提携して作られていて、随所にボルドーワイン・コンプレックスが痛いほど感じられます。しかし、どう頑張っても1985年以前のボルドーのグランヴァンのレベルには程遠い状態だと言わざるを得ません。それより、もっと自由にナパの土地や気候の特性を生かし、作られてきた、このインシグニアのほうがカリフォルニアワインらしさが良く表現されていて、ワインの作り方としては、正解だと思います。
 このシャトーには足しげく押しかけては、エノロジスト(醸造人)とワイン談義に花を咲かせた時代が懐かしいです。ナパのシャトーの中では、一二を争う最高の環境だと思いますので、ナパに行かれるときにはこのシャトーは必見です。
 最近のは世界的な傾向で、ロングスパンで熟成させて飲む時代では無いので、軽く早飲みタイプの味になっているのは悲しいですが、時代なのでしょうね!
 この1987年と1988年はまさに黄金期のカリフォルニア赤ワインそのものなのです。