ラ・ベカスの凄さ

ラ・ベカス 大阪 淀屋橋

休日のラ・ベカス訪問です。来店すると渋谷シェフからはお任せでと言うことなので、それでお願いしたのですが、アミューズ3皿、オードブル2皿、ポアソン、ヴィアンド、デセールの8皿・・・そのすべての皿が渋谷ワールドの濃密で圧倒的な美味しさの素晴らしい料理でした。・・・そして、どの皿も凄い完成度の料理です!


■ツブ貝のフラン

一番下は上品さとフワッとした食感のフラン。その上にガスパチョの層があり、上品に味付けされたツブ貝が載せられた、手の込んだ、そして徹底的に細部にまで計算し尽くされた、味わいのハーモニーに、最初の料理から、恐ろしいほどの完成度です。


■エクルビスともずくのスープ

もずくのような個性が強く、印象も日本的な素材をエクルビスの甘さが実に効果的で高次元で融合した凄いアミューズです。流石です。


■鰺饅頭

シェフの最近のマイブームですが、過去に食べた、鰯やその他の食材中では、もっとも完成度が高いアミューズでした。


■夏野菜のバプールゴマソースがけ

ナスなどの夏野菜をバプールして、上から香り豊かで軽いゴマソースを掛けたもの。関西の美味しい夏野菜の味わいが確りと堪能できる一皿です。レギュームだけでフランス料理としての美味しさがダイレクトに伝わってくるあたりは、流石渋谷シェフですね。


■たいらぎ貝のマリネ


この皿も絶品です。上品なたいらぎ貝と軽いクリームのソースの組み合わせは、渋谷シェフお得意のスタイルですが、見た目も味も香りも、最上級のオードブルだと思います。


■アニョーのハンバーグ

水彩画のような軽い料理が続いていたところに、「ドーン」と出てきた超弩級オードブルがこれ。ソースには隠し味として納豆が使われていて、濃厚な赤ワインベースのソースに納豆の強い個性が加わり、スーパーヘビー級インパクトを持っているオードブルだと思います。


真鯛のポアレ


やはり、圧巻はこれ!どんな和の技法を持ってしても、このキュイジーヌフランセーズの前では霞んでしまうほどの圧倒的な存在感の皿は無敵です。多くを語る必要がないほどの完璧なポアソンでした。


■すじ肉の軽い煮込み


以前に何回か、一緒に香港へ行った際に、彼はすじ肉の美味しさに、とても感心していました。柔らかく上品に味付けされた、すじ肉が、正統派のプランス料理の技法によって、新たな旨みの地平線を開かせる、素晴らしいヴィアンドの一皿だと思います。


■デセール


スモモのコンポート、アイスクリーム添え
爽やかな酸味が特徴のデセールです。私的には、もう一ひねりほしい気もしますが、食事のエピローグには、相応しい一皿だと思います。



やはり今回も渋谷シェフの美食のイリュージョンに圧倒されました。私にとって、この店は最高のサンクチュアリーだと言えます。常に新しい料理の創世に努力するシェフの姿勢には、つくづく頭が下がります。