ブリア・サバランの誤謬

 ジャン・アンテルム・ブリア・サヴァラン(Jean Anthelme Brillat-Savarin,とは18世紀〜19世紀に活躍した美食家で彼の名著“Physiologie du Goût, ou Méditations de Gastronomie Transcendante; ouvrage théorique, historique et à l'ordre du jour, dédié aux Gastronomes parisiens, par un Professeur, membre de plusieurs sociétés littéraires et savantes”(邦題:美味礼讃)はフランス料理のバイブル的な存在です。

 その中で、彼は、美食と健康は成り立たないとハッキリ述べています。確かにバターや生クリームたっぷりの肉料理など、毎日食べたら健康な生活を冒すような事になりかねないし、彼の主張はある程度は理解できます。しかし、この永遠に不可能に思える命題は、フランス料理の歴史の有に10倍以上ある中国では、遙か以前よりこの両立が可能になっています。

 今年、まさに女性の平均寿命第一位の座から、日本は、初めて滑り落ちました。男性は数年前から一位の座を香港に譲り、現在は第7位で、代わりに香港が男女とも世界一の座につきました。

http://www.j-cast.com/2012/07/26140853.html


そうです。
美食と健康は間違いなく両立しうるのです。言い換えれば広東家庭料理は世界一健康的な食べ物だと言うことです。

これは凄いことだと思います。


 でも、日本の中華料理の殆どのものは脂っこく重い高カロリーの全く異なる独特の中華料理です。香港で食べる料理は、薄味で、栄養素が豊かな豚肉や鶏肉を、ヘルシーに使い野菜も蒸したり茹でたりして沢山の量を上手に摂取しています。香港福臨門の常連用の家郷菜のスープなどはまさに、医食同源そのものので、一口含めば、滋味豊かな味わいが五臓六腑に染み渡るような、清々しい美味しさです。

 香港福臨門九龍店には毎日、食事に来る老人達が4組ほどいますが、その顔艶の良さや足取りの確かさは尋常なレベルではありません。


 こういう料理を福臨門で食べていれば、毎日が健康で元気に生活が出来るという生きたお手本のような存在です。福臨門の常連向け料理を一言で表せば「京都料理よりも薄味」だと思います。これを福臨門で食べたことのない人に話すと、中華料理が薄味だとは信じて貰えないのが現実です。香港福臨門に行って、常連用の「広東家郷菜」料理をを食べて初めて納得して貰えることなのです。


 男女とも世界一の平均寿命は、言い換えれば、広東家郷菜を毎日食べていれば健康で豊かな生活が送れると言うことだと考えます。

四千年の歴史の凄さを感じます。

フランス料理もあと二千年くらいすると、この境地に辿り着けるのでしょうか。