香港福臨門の謎 その24

臭い魚のなぞ

鹹魚(ハムユイ)とは、香港でもポピュラーな発酵した魚で独特の臭みと塩味を持っている食材です。マカオ広東省が名産で、よく店の前や中に吊るして売っています。内臓を取り除いた魚を塩で漬け込み、その後乾燥させて作った、独特の食材です。新島名産の“くさや”のようだと表現する人もいますが、私は、くさやより、マンステールやリバローのようなウォシュタイプのチーズに近いように思います。福臨門でも、鹹魚を使った有名な料理は鹹魚炒飯ですが、それ以外に豚肉のミンチと合わせて独特の香りと塩味を味わったりもします。

 福臨門で使用している鹹魚は馬友と呼ばれる、川魚を使った最上級のものを使用しています。癖がありますが、味に慣れると病み付きになります。土鍋に入れて炊き込みご飯として食べても美味しいですし、そのまま油で揚げて食べても絶品です。よく私も羅安さんに教えてもらった食材店で、購入して、日本に自分用で持ち帰って食べるくらい癖になるほどの美味な食材です。