香港福臨門の謎 その27
竈の謎
久々のタイトル復活です!
今回一番びっくりしたのが、長い間九龍店の調理場のシェフを勤めていた余 滌新さんが新たにオープンした福臨門深セン店に行ったため、シェフが変わっていたこと。新たなシェフは、張 徳強さん。本来ならシェフが変わると料理の味が微妙に変化するはずですが、なぜか不思議と九龍店は変わらないのです。愛社精神の皆無な香港ではシェフの引き抜きが日常茶飯事で、抜かれた後の店の味は悲惨なほど変化します。ところが福臨門だけは変化しないのです。地元でもシェフではなく竈に秘密があるのでは?などと噂されています。
香港には福臨門出身のコックは数多くいますが、福臨門を超える料理には出会っていません。
この秘密は竈ではなく、徐社長と羅安さんが2人で料理に関する全てを決めているからだと私は確信しています。羅安さん自身はもう少し濃い目の味付けが好みなのはよく知っていますし、料理人でもある徐社長の味付けの好みや、異常とも思える上湯スープに対するお金のかけ方は他の店の追随を全く寄せ付けないことも知っています。今回も、またこの店の凄さを思い知らされました。