ワイン世界遺産 その21

Ch.デュクリ・ボーカイユ 1973年 パーフェクトな熟成タイミング

このワインも先週の金曜日に開けたものですが、もうこれ以上無いと思うような絶妙な熟成タイミングでした。開けた直後には、圧倒的勢いでアロマやブーケが押し寄せ、その後、それらの香りが一旦急速に落ちました。しかし1時間を過ぎたあたりから、隠れていた、すばらしいブーケが怒涛のように出現して、正に香りのワンダーランドの様相を呈しました。その変化は直線的ではなく、カタストロフィー理論で言う"バタフライ・カタストロフ”のような構造安定性と形態形成を示しました。自分とワインの過ぎし36年間を思い描きながら飲むクラレットは格別でした。